No, thank you. [Last : July 18] |
「おい…そんな所に隠れてないで出て来いよ」 「あ、あれー?ばれちゃった?」 えへへー、とか言いながら出てきたおまえ。 「やっぱり黒幕はおまえか」 文字の緑色はおまえの好きな色だったからな。 「わー悔しい、どこからバレてたの?」 「うん、まあ、最後から2番目ぐらい?」 「わ!じゃ、そこまでは悩んだ?ねえねえ?」 「嬉しそうに言うな。 だいたい、なんだよ、このカード。 今日はまだ違うだろ?!」 「あーだってさー、明日になったら、 追っかけに取り囲まれてそれどころじゃないじゃん。 だから、えーっと、なんていうか、 『プレ』みたいな?」 「みたいな…って。 まあ、そうか、じゃそっちは分かったとして、 チョップってなんだよ、チョップって」 「えっと、ほら、仲良しさんとのスキンシップって大事じゃん?」 「はい?」 「フレンドシップ、イコール、スキンシップ、みたいな」 やることとか することが いつも唐突なんだよ。 いったい、どこからそんな発想がうかぶんだ? 「おまえ…だからって、なんでチョップなんだよ?」 「ふふーん、瑛はスキでしょ、チョップ。 好きなものをあげたいと思って」 「おまえ、バカだろ? オレはチョップするのがスキなの。 されるのはやだろ、だれでも」 「なによ、バカって言う人がバカなんですー。 だいたい、私いつもチョップされてるじゃん。 自分はやなのに人にはするの?」 プーッとふくれるおまえのほっぺ。 おまえ、その顔、おかしすぎ。 「俺のチョップには、色々なものがつまってるんだ。だから良いんだ」 「えー、何がつまってるの?わかんないよ、痛いだけじゃん」 「何って………愛、とか……」 「ああ!そっかそっか」 って軽く流すなよ!そこ! 俺、今すごーく恥ずかしいこと言ったんだぞ? しかもかなり覚悟を決めて!! 「だったら、みんなのチョップにも入ってるから。 だからオール・オッケーだね?」 「はあ?」 「みーんな、瑛が大好きなんだよ。 だからこの企画ものってくれたの」 「はぁ…」 「実はね、今、みんなアナスタシアで待ってるんだ。 ケーキ用意して。 だから行こ?一緒に、ね!」 「ケーキ…か、それで許してやるか…」 「楽しみだね、ケーキ!」 「待て待て。 おまえを許すとは言ってないぞ。 お返しは10倍返しでいいな」 「えええええ! いらない! そんなにチョップされたらバカになっちゃう!」 「えーっと、8人にチョップされたから、 10倍して80発だ、覚悟しろ」 「のーさんきゅー!!!」 「あ、待て!逃げるな!!!」 こんな誕生日(前日だけど)、 首痛いし、 嬉しくない…こともない。 まあ、こうして笑ってられるしな。 H!PA1P8Y ↓ HAPPY 18! 「ははは、つかまえた、さあ80発だ」 「やだー! あ!そうだ! 私からのカードもあるんだよ。 それ、見てからでも良いと思うけどなぁ、ね?」 「な、なんだよ、可愛く言ったってお返しはきっちりするぞ」 「ふふ、じゃ、出すからちょっと目つぶって待ってて」 「なんで、つぶんなきゃいけないんだよ?!」 「いいからいいから、早くつぶって」 「んー、なんだよ、まったく…」 … 「うわっ、おまえっ…!!」 「お返し帳消しにしてくれる?ね?」 「う…、だ、だめだ。覚悟しろ」 「ええー! 最終手段だったのに… うー! 分かった! 覚悟決めた! ど、どうぞ!!」 俺のチョップに備えて身構えて 目をギュッと閉じたおまえ。 そういう反応がいつも面白くて ついついこっちもちょっかい出したくなるんだ。 それにしても最終手段って… た、確かに、あれは、さすがの俺もお手上げだ。 だから、俺からのお返しも… … 「あ…、あのー、それ、80回するの?」 「ん?んー、分割払いにして毎日5回ずつぐらいにするか?」 「ま…毎日?5回も???」 「そ、楽しみは毎日あった方がいいだろ?」 「えーっと、嬉しいような、怖いような…」 俺は別にチョップのお返しでよかったんだ。 けど、こうなったのは おまえの最後のカードのせいだろ? チョップするのも好きだけど こっちの方が俺にとってもかなりお得だからな。 おまえも同じだろ? だから『No, thank you.』なんて絶対言うなよ。 分かったか? |
はい!ラストでした〜。 こんなショートショートな連載に毎日付き合ってくださり、ありがとうございました! 瑛!18歳の誕生日おめでとう!! (明日だけど) このお話は2008.07.18に更新しました〜。 メニューに戻るにはウィンドウを閉じてくださいね。 |