姫と兵士・小話 -1.姫と神父-
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「しんぷしゃまー」 シバと別れた後、「まずは元の姿に戻らなきゃ」って思い、向かった先は教会。 魔法に関する事なら神父様が一番詳しいはず。 「ああ、アカリ姫。神父様なら今は用事があって不在だよ。もうそろそろ戻ると思うが」 「じゃあ、ここでまってゆ」 応対に出てくれたのは神父見習いのイタル。 頭が良くて真面目なイタル。 融通がきかないという人もいるけれど、戒律をきっちり守ろうって姿勢からきてるんだから偉いって私は思う。 後は、人の気持ちに気付き、その気持ちを大切に扱えるようになったら素晴らしい神父様になれると思うんだけどな。 「今日はどのような用件でいらしたのですか?」 「え?あたちをみてわかんない?」 「うん………………すまない、僕にはよく分からないのだが……もしかすると、その、姫がいつもより小さい……という事に何か関係があるのだろうか?」 「……」 「……」 「……もしかちなくても、それしかないよ」 「……ああ、良かった!僕の考えは正解に近いということだね!」 「あはは……うん、まあ、そう、だよ。……あのね、もとのおっきさにもどちてほしいの」 「そうか。それなら、僕でも協力できるかもしれない」 「え?ほんとに?じゃあ、はやくもとにもどちて!!」 「今、戻った」 「あ、神父ヒムロ、お帰りなさい」 「ああ、イタル、ただいま。何か変わったことは…………アカリ姫?何があったのですか?」 わあ、さすが神父様。 私が困ってるってすぐに分かってくれちゃうんだもんね。 それにしても、イタルめ…………。 「しんぷしゃま!イタルがヘンなものあたちにのませた!!わーん!!」 「そ、それはっ、違うんですっ!……いや、違わないのですが、あの、姫を元の大きさに戻そうと、魔法を解くための祈りを捧げたのですが、効果がなかったので、解毒剤ならいけるのではと思い、この本に書いてあった材料で飲み物を作ったのですが……」 「イタル…………姫は毒におかされているのではなく、魔法にかかっているだけだ。解毒剤では効果は期待できない」 「ああ……僕としたことが……」 「イタルのばかっ!」 「すみません、姫。イタルはまだ見習いの身。あなたの為に一生懸命対応しようとしたのでしょう。どうか許してやってください」 「うう……しんぷしゃまがそうゆうなら……イタル、ありがと」 「アカリ姫……本当にすみませんでした」 「さ、私が見てさしあげましょう。こちらへ」 はぁ……やっと元に戻れる。 イタルにお願いしないでおとなしく神父様を待ってれば良かった。 そうすれば、あんな苦くて渋くて不味いやつを飲まなくて済んだんだ。 ああ、口の中のいやな感じが取れないよ〜……。 「フム……そうか……分かりました」 「もどれゆ?」 「アカリ姫、どのようなキノコを幾つ口にしたか、正確に説明してください」 「んっと、2しぇんちぐやいで、かさはチョコのあじがして、したはさくっとしたやつらった。それを10こぐらいたべた」 「10個…………欲張り過ぎだ…………コホン、まあ、それは良いとして、特に何もする必要はないでしょう」 「へ?なにも?」 「ええ。そのチョコ……いや、キノコと言うべきか?……それにかけられていた魔法はとても効力が弱い。よって、食べた物が分解・消化され、それらの成分が体から全て排出されてしまえば確実に元に戻れるだろう」 「しょうなの?」 「はい。明日の朝になればいつも通りです」 「しょっかぁ!わかった!ありがとう、しんぷしゃま!」 そんなわけで次の日には元の姿に戻れたのでした。 よかった、よかった。 その頃のシバ。 「そういや、アイツ……城の壁、改造しちまって、見つかったらヤバイんじゃねぇか…………?」 (あとがき) 最初、キノコの事を考えた時、 何故か頭に浮かんだのが 「ポールのミラクル大作戦」 でした。 あれってキノッピーが出てただけで 食べたりするキノコは無かった、よね? 食べて大きさが変わるのはアリス、だよね? だけど、まあ、アカリ姫なので とりあえず「き○この山」にしておきました。 初めて0123書いちゃった。 GS1やってないのに。 子安さんの声のイメージだけで書いてしまったよ。 氷上くんもよく分からないのに かなり失礼なイメージで書いてしまいました。 すみませんっ! (2009.3.3) 目次へ戻る |