姫と兵士・小話 -2.姫と訓練-



「あ!タツコ先輩、またアカリ姫が覗きに来てますよ!」

「しっ!気付かないフリするんだよ、アマチ」

「は〜い。それにしても、いっつも誰を見に来てるんでしょうね?」

「ああ、まったくだ。騎士見習いの訓練を見たいってんなら、姫なんだから堂々としてりゃ良いのに」

「いっつもコソコソしてますよね?」

「そうだねぇ………………アカリ姫が見てる先には誰がいるんだい?」

「ええっと…………」





『こらぁっ!シバ!!しっかりやらんかっ!!!』

『スミマセン!もう一度お願いしますっ!!』





「あ………………今、アカリ姫、確実にオロオロしましたよね、タツコ先輩」

「ああ、したね」

「シバ先輩、ですか」

「シバ、だね」





「シバ先輩は気が付いてるんでしょうかねぇ?」

「いや、アイツもかなりの鈍感だから気付いてないだろうねぇ」

「教えてあげます?」

「……覗きに来るアカリ姫が面白いから放っておくってのはどうだい?」

「……それもそうですね!」











その頃のアカリ姫。

「ハックション!!うう……日陰寒い……でも、シバ頑張ってるなぁ……カッコイイ……」











その頃のシバ。

「ハックション!!………………風邪、じゃねぇよな……気合入れねぇと」







(あとがき)
アカリ姫、コッソリ覗きに行ってたのに、周りには結構バレバレ。
しかも逆にその挙動を面白がられて覗き返されてるという(笑)

シバも全く気付いていない。
真剣に訓練してる。
けど心の中ではいつも姫を思ってて欲しい(←願望)

アカリ姫は一人で
ニコニコしたり
オロオロしたり
見つかりそうになって慌てて隠れたり
でもドレスの裾が見えてたり
そんな可愛い子でいて欲しい。



(2009.3.8)





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