僕は猫

【注意書き】
R-callさんに捧げます。これ読んで少しでも若ちゃん熱を取り戻して欲しいものです。
主人公はR-callさんちの時ちゃん(のつもり)です。







「さ、寒い………」



本格的に熱が出てきたかもしれない。
でも体温は計らない。
だって数字で見たらもっと具合悪くなりそうだし………

とりあえず寝よう。
布団にくるまればなんとかなる。



ピーンポーン



「誰よ………こんな時に………」



こんな時間に宅配便か?
再配達も面倒だし出るか。
ああ、○猫かペ○カンかカン○ルーか知らないけど、コロス。



「こんばんは」



○猫でもペ○カンでもカン○ルーでもなかった。
もっと最悪だ。
コロス。



「何しに来たんですか?ってかどうやってここまで?」

「タクシーで来ました」

「じゃあ、今すぐそれに乗って帰ってください」

「や、タクシーはもう行っちゃいました」

「じゃ、もう一回呼んで下さい。さようなら」

「携帯忘れちゃいました」

「はぁ?ああ、もう、なんなんですか?」

「お見舞いです」

「余計具合悪くなるんですけど………とりあえず家の電話でタクシー呼ぶから入ってください」

「お邪魔します!」



最悪だ。
電話電話、タクシー会社の番号………



「あ!」



ダメだ、倒れるなんて、ありえない。
なんで先生に抱きかかえられないといけないんだ。
ああ悔しい。



「ややー、かなり熱が高いですね。ベッド行きましょう」



世話してくれるんですか?
あなたが?
ムリでしょう………。



「何か欲しいものはありますか?」

「瑛が欲しい」

「は?空耳かな………」

「空耳じゃありません。あーあ、瑛がいたらおかゆとか作ってくれるんだろうなぁ………」

「ダメです!佐伯くんは生徒なんだから呼べません!」

「じゃあ、マスター」

「誰ですか、それ?」

「それって言うな………卵酒作って、マスター………」

「病気なのにお酒ですか?ダメです!」

「はぁ………じゃあ零一………」

「誰?」

「意識がなくなったらマセラティで病院に運んで………」

「僕が救急車を呼びます!」

「あーあ………先生じゃ何の役にも立たないじゃないですか」

「僕だって何かの役に立ちます!」

「えーどんなー?」

「えーそれはー………」

「一生考えててくださいね。私寒いからもう寝ます」

「寒い………そうだ!」

「あの、うるさいんですけど」



何を考えてるのか知らないけど
いきなり布団をバッとめくった先生。
ありえない。
寒いって言ってるのに。



と思ったらなんと私の横に寝て
一緒に布団をかぶった?!



「な、何してるんですか?!」

「僕は猫だから。ほら、こうするとあったかいでしょ?」



先生の腕が柔らかく私を包み込む。



確かにあったかい。



猫みたい、って体温が高いってこと?
お子様か?



「僕だって役に立つんです」



うん。湯たんぽ代わりになるかも。



「さあ、ゆっくり眠ってください」



うーん、ちょっと息苦しいけど寒くないからいいか。



「おやすみ」



おやすみなさい。
今日はもう反抗する元気も無いからこのまま寝るわ………。









(あとがき)

やった!
お見舞いで少しは役に立つ若ちゃん!



まあ、でも、朝方、熱が上がりきって、熱くなって、
ベッドから蹴り出されるんだろうなぁ…。
ああ、やっぱり、にゃく………。





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