GS2:志波×花乃
Butterfly Cafe 5周年フリーで頂いてきました。
「これ、土産」
母親が旅行に行っていたから。その土産。 水元に手渡すと、「ありがとう」と彼女はニッコリ笑った。 その顔が可愛くて。 きっと母親が買ってきた土産も気に入るだろうと、 紙袋を覗き込む彼女の様子を見ていると。 彼女は包みをみて、少し困った顔をした。
「・・どうした?」 「え?うううん」 「嫌いだったか?ひよこ饅頭」 「うううん!大好きだよ」
好き嫌いのない水元。 しかも甘いものは大好きなハズだ。 それに、オレが見ても可愛いと思える饅頭の形。 きっと気に入ると思っていたのだが・・・
「あのね」 「ん?」
心配になって覗き込むと。 水元はやはり困った顔をして、オレを見る。
「シバくんは、どっちから食べる?」 「・・饅頭か?」 「うん。ひよこ饅頭」
聞くと。 水元はひよこ饅頭の顔と、尾の部分のあまりの可愛さに。 いつもどちらから食べるか悩むそうだ。 そして最後は食べたら可哀想かも。とか思ってしまうらしい。
水元らしくて。 オレが笑うと、水元は「ねぇ、どっちから?」と真剣モード。 オレは笑いながら「一口」と答えると。 水元は一瞬ぽかんとして、ポンと手を叩いた。
「その手があったね!」 「ん」 「でも、一口かぁ・・私できるかな」
本気で悩まなくても。 オレは爆笑。
「なぁ、水元」 「なぁに?」 「逆に・・可愛いから食べたいって言うのもあるんじゃないか?」 「・・・へ?」
またポカンとする水元に。 オレは笑いを抑えきれない。
お前だよ。 可愛くて、食べてしまいたい。
「シバ君は、可愛いから食べたくなっちゃうの?」 水元が小首をかしげて聞くので。 笑いを噛み殺しながら頷くと、水元はふむ。と小さく唸る。
「シバ君は不思議な人だね」
しみじみ言う水元に。 オレの笑いは止まらなかった。
終。
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